nobcha23のエアバンド受信機自作ブログ DIY airband receiver BLOG

エアバンドレシーバーキットの組み立て、改造を手掛けます Assemble and remodel Chinese airband receiver kit

DIYエアバンド受信機(Si4732使用)の作り方  I would like to introduce R909-DSP1

Currently R909-DSP1 is a best my DIY airband receiver. R909-DSP1 is made of TA2003+Si5351a+Si4732+LM386. I would like to introduce it in details. I uploaded the nessesary data on GITHUB.

 

R909-DSP1エアバンド/FM受信機の自作基板一式です。右上が組み立てた基板です。

使う基板一式

 

 

DIYエアバンド受信機のキット組み立て、改造、新規設計などを数機種手掛けてきました。その中で、今のところ、安定度・感度でR909-DSP1が一番だと思っています。作り方を説明します。この機種は回路設計、基板設計、スケッチ設計、ケース入れのすべてをDIYしました。再試される方のために、基板や部品の調達、はんだ付け、組み立て調整、Arduinoのスケッチを書き込み、ケース入れの要点を説明します。

 

R909-DSP1受信機外観

操作・動作は次になります。

www.youtube.com

構成はTA2003+Si5351a+Si4732+LM386です。TA2003とSi5351aで第一ミキサーを構成します。フロントエンドのエアバンド帯域フィルタの通過後、TA2003でSi5351aからの局発と混合します。21.4MHzのIF信号はセラフィル通過後2SC3355で中間周波増幅し、Si4732を21.4MHz受信機として動作させます。Si4732はPU2CLRのライブラリーで動かしています。周波数制御のSi5351a、ラジオ部のSi4732、そして表示のOLEDをArduino UNOコンパチのATmega328pによりi2cインターフフェイス経由し動かします。

 

ブロックダイヤグラム

 

・主な仕様は次になります。

 

1. 受信帯域:航空無線帯域 AM; 118-136MHz, FM放送帯域FM: 76-109MHz

2. チャンネルメモリー 50チャンネル

3. 感度:およそ -110dBm(エアバンド

4. 供給電源:DC+12V、およそ:110 mA

5. 音声出力:約1W max, 2.5 jack

6. ケースの大きさ:38h x 88w x 100d、重量:およそ250grm

 

 

構成基板は表示とスイッチと制御部を載せたPANEL基板、RF回路部分を載せたRF基板の2枚からなります。ケースは88x38x100のアルミ引き抜き材ケースを想定しており、フロントとバックのケースパネルを基板で用意しています。

基板構成

ケース内部



Arduinoスケッチはロータリーエンコーダー+エンコーダースイッチ組み合わせのkpa radio製です。FM放送が聞けますし、50チャンネルの周波数メモリが用意されており、Si5351aの周波数較正とか8.33Khzチャンネルステップ(近々公開)があります。まだまだちょいバグはありますが、何とか一通り動くので、デスクサイドにおいて航空無線もワッチできるFMラジオとして使っています。

 

・作り方

さて、基板の準備と組立ですが、すべての必要な情報はGITHUB上に公開しております。AMAZONとかALIEXPRESSなどで売っている中国製エアバンドレシ-バーキットをはんだ付け組立、調整して受信可能にするまでぐらいの技術とやる気があれば、このR909-DSP1は組立、調整可能と思います。留意ポイントとしては基板をはじめとした部品調達、SOP-16のはんだ付け、フィルタコイルを巻く、基板パターンの間違い修正、ATmega328Pへのブートローダー・スケッチ書込みなどでしょうか。

 

・基板や部品の準備

 基板パターン 4種

RF部 PANEL制御部 PCB

ケース裏表パネル、制御パネル部 基板

KiCADでパターン設計を行い、PCBGOGOのプラグインでZIP出力したものです。基板の手配は下記PCBGOGOのリンクからアクセスし、GITHUBからダウンロードしたZIPを送ります。手順としては、ID登録、ZIPファイルで見積もりをかけ、担当営業から応答があり、疑問点などやり取り(日本語でできます)して進めてください。

www.pcbgogo.jp

基板と共にBOMに従って部品を集めないといけません。国内では秋月電子千石電商共立電子、イーエレなどなどで大体は集まります。RSオンラインとか、DigiKeyをお使いになると、ほとんど集まると思います。Si4732とSi5351aモジュールはAmazonとかはAliexpressとかeBAYになります。脅かすつもりはありませんが、Aliexpressのショップの中にはFAKE部品を売るところもありますので、要注意です。そんな部品に当たると、真贋判定、クレーム処理応対(Aliexpressの対応は最近良いので、証拠を明らかにして交渉すれば返金されると思う)などちょっと邪魔くさいです。売れ数、評判などでお店の良しあしを判断してください。

 

・組み立て手順 

SOP-16のはんだ付けがあるので、手はんだだと少し大変です。まずは部品表に従い、部品を整理します。はんだ付けは表面実装部品、背の低い部品、ICソケット、コネクタピンヘッダーとなります。

カラーコードはメーカーで色目が違っていたりして、例えば、茶色、黄色、赤色などを判別しにくい場合があります。ワタシの場合は、デジタルテスターとかコンポーネントテスター(LCR-T4)で確認しながら実装しています。トータルで考えると、もし間違った時の手戻り時間を考えると、助かると思います。

コイルは手巻き調整があるので、Si4732が動いてから組み立てるのが良いと思います。別記事で説明します。

 

基板のはんだ付け組立が終わると、チェックと調整です。

 

まずは電源ショートなどないかの確認です。

電流計を経由し電源を供給すると、およそ110㎃ぐらいになるはずです。

 

次に、テスト用スケッチで基本的な接続間違いがないことの確認をします。そのためのテストスケッチR909-DIAGを用意しました。このスケッチのポイントは次になります。

1. i2cバスへ関係IC,モジュールがつながっているか確認します。OLEDにつながっているi2cデバイスのアドレスを表示します。

2. Arduino IDEのシリアルポートからのコマンド入力でSi4732をパラメータ設定し動かします。

以上まで行くと、以降は手巻コイルが必要となります。コイルの巻き方については別な投稿にて説明します。

 

2.1 FMモードで放送波を受信させます。ここで音が出るとSi4732からアンプ系まで動いているのが判ります。FMアンテナ用のピンヘッダーに電線をつないだり、アンテナにつなぐと受信がうまくいきます。

2.2 エアバンド受信の方はまず、AMモードでテスト信号源の受信ができるように設定します。Si5351aのクロック出力を周波数カウンタで確認します。ここではローカル発振周波数を指定するので、受信したい周波数+21.4MHzを設定します。

 

ここまでくると、あとはテスト信号源を使った調整になります。もし、空港のそばにお住みで空港ATISが受かるようならアンテナで信号を受信しながら調整するのが実用的です。ワタシの場合はR909-DSP1の派生でできたR909-VFOにATTを入れ信号源にしています。

 

 

感度性能としてはメーカー品ハンディー機に匹敵するかもと思っています。それよりも回路図、基板、Arduinoのスケッチを公開してますので、自分仕様に改造できるのが大きい特徴です。国内ではまだ再試された事例はありませんが、欧州、中国の方が追試や改造に取り組まれています。

 

GITHUBには必要なデータ類を掲載し、データファイル一覧表を載せてあります。

https://github.com/Nobcha/R909-SDR/

 

スケッチの説明や、操作の仕方、コイルの巻き方・調整の仕方については別な投稿で説明します。

(続く)

 

このブログ記事の中にはアフィリエートやプロモーションの内容が含まれています。