USD15ぐらいで売られているエアバンド受信機キットはなかなかコスパが良いと思います。超再生受信機のように一か八かのものではなく、はんだ付け作業に注意し組立、少し調整すると受信ができるようになるので、作られた方は多いと思います。

しかしながら実用的に使おうとすると、いくつかの欠点が目立ちます。一つは自励発振の局発の安定度ですね。モニター用に使うにはデジタル化必須です。次がスケルチ切り替え時のポップ音です。待ち受けで静かにしたいのに、切り替え時に大きなポップ音が出ます。三つめはPCBパターンコイルのバージョンで、フィルタが減衰器みたいになっているところでしょうか。
そういった使いづらさのためジャンク箱に眠っているではないかと言う切り口でRedditに記事を書いてみました。数日でPVが3000ぐらいになったので、この際スケルチの話を詳しくまとめておいた方が良いかと思って、ブログ記事にしました。
さて、ここではスケルチの改善策についてのアプローチについて説明します。
まず何が問題かと言うと次のようになります。
1. スケルチは音声信号をダイオードスイッチしているが、音声だけでなくOPアンプのバイアスもスイッチされるので、ONとOFFとの切り替え時に大きなノイズになる。
2. スイッチングは前段LM358で行うが、後段LM386はフルゲインで動作しており、切り替えノイズが増幅されフルスイングのノイズ出力になる。

解決策として採用したのは、LM386の動作点を飽和させ、利得をなくすというMUTE方法です。このアイデアは元々CQ出版の本にアイテック電子の千葉OMが書かれていたものを今回実行しました。
そして、実際の回路方式をどうする、パラメータ導出、TRY&ERRORするのにLTspiceを使いました。
LTspiceを始めるにあたり、まずはLM358とLM386の回路図とSpiceモデルを探します。以前はNXPとかTIのサイトにあったんですが、404になってます。そこで、以前ダウンロードしてあったlm358.asy,lm358.subket, lm386.asy,lm386.subを取り出し、使いました。
まずはオリジナル回路の関係部分を取り出しシミュレーションします。
確かに、スケルチのOM/OFF時にスパイク状の応答があります。

続いて試行錯誤でLM386の入力端子への電流流し込みを行いMUTEする回路を編集します。
シミュレーションできました。電圧ではなく、流し込み電流でLM386がON/OFFします。

なるほど、この方式だと、切り替え時に少しダンピングがかかってON/OFFするようです。実際の音を聞いてみても、スパッと切れるのではなく、ぬめっと切り替わります。
如何でしょうか。はんだ付けで抵抗コンデンサをとっかえひっかえする替わりにPC上でトライアンドエラー実験ができました。
また、このスケルチ改良で、エアバンド受信機キットが生まれ変わったのはうれしいですね。
改造機後のYOUTUBE:
