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エアバンドレシーバーキットの組み立て、改造を手掛けます Assemble and remodel Chinese airband receiver kit

R909-VFOとAD831モジュールを組み合わせてみる To combine the R909-VFO with AD831 mixer

R909-DSPの制御部分を独立させ、R909-VFOを試作しました。VFOを使ういくつかの応用試作をやって、スケッチのバグ潰し、使い勝手向上を検討することにします。

I separated the VFO part from R909-DSP radio and I called it R909-VFO. I will divert it the other trial circuits hereafter.
This time I combined R909-VFO with the AD831 mixer module and HRD-737 radio to make up double super heterodyne receiver. 

AD861, Si5351a, and R909-VFO

 

 

AliexpressでAD831モジュールを見かけました。これを使い、簡単・モジュール組み合わせでスーパーヘテロダイン式受信機を試してみます。どんな構成なのかと言うと、ミキサーとしてAD831モジュールを使い、R909-VFOが局発、親受信機はHRD-737ポータブルラジオ(10.7MHz受信)、感度改善で30dBLNAの組み合わせです。


ブロックダイヤグラムでは次になります。

試作組み合わせブロックダイヤグラム



118.1MHz大阪空港へアプローチする飛行機からの信号をクリアに受信できました。128.6MHzのATISとか133.5MHzの東京コントロールなどは受信できませんでした。

 

試作組み合わせ

 

AD831のデータシートでは9V供給、LO入力-10dBmで変換利得が0dBとあります。

30dBLNAを入れたんで、十分な感度があると思ったんですが、tinySAから試験信号入力して確かめてみると、およそ-90dBmの試験信号しか受信できません。そこでHRD-737を調べてみると-60dBmだったんで、HRD-737がおかしいようです。次にATS-20キットの方へ切り替えてみます。

 

 

 

 

 

 


今回組み合わせで使ってみて、R909-VFOスケッチの改良課題がいくつかでてきました。
1. IF設定を切り替えメニューに入れEEPROM保存にしてはどうか。21.4MHz/10.7MHz/21.4MHz+455㎑(CLK1:21.855)/10.7MHz+455㎑(CLK1:11.155)
2. OLED(SSD1306)の表示リフレッシュ回数、時間間隔を変え、ノイズを減らす。

(続く)

 

フィルター実験回路を作り、nanoVNAでトライアンドエラー

R909-DSP一号機ではフロントエンドのフィルター回路は手間を省き2段スタガーにしました。2段スタガーだと、コイルシミュレーションソフトで各LC組の共振周波数が明示されます。試験機を組むとき一つずつ同調回路を合わせ、その間をコンデンサでつなぎ、組立できるので楽です。カットアンドトライに向いてます。ただ、通過域近くでの減衰が得られません。

今回は三段チェビシェフにして、通過域より高い方での減衰(イメージ除去)をどれだけ稼げるかやってみることにしました。二号機のデジタル部分が大体動いたので、実機でやってみるかと、コイルを巻き、実装し実験を始めてみました。しかし、ストレイの影響?固定コンの誤差?などとか、全く帯域特性は思惑外れになり、追い込むところまで行きません。

フィルター部回路

 

シミュレーションで値を求め、ストレーを予期しコンデンサー選び、コイルをLCメーターで確認しながら巻いても、数字の上からだけでは、簡単に期待の特性がでません。また、実際の無線機基板を使うと、部品も混み合っており、カットアンドトライし、はんだ付けやり直すのも大変なので、フィルタ実験用治具基板を作り、大体の数値を追い込み、その後、実基板に組み込むことにします。ということで実験用JIG基板を作りました。

フィルター治具

ユニバーサル基板で作りましたが、説明図をKiCADで作りました。コネクタとしては信号線との接触が安定と思われる丸棒型のソケットを利用し、ユニバーサル基板も両面スルーホール、A面はPADよけて全面アースと言う高周波回路実験用の基板を使いました。

KiCAD

 

できた治具基板ですが、ちょっと勘違いで一列ピンが不足してしまいました。必要なのは、入力SMAからのつなぎコンデンサー、並列同調回路のLC,渡りの同調回路LC,並列同調回路のLC,SMAとのつなぎ。1+2+2+2+1=8

 

それではこのJIGに手持ちのCやエナメル線を巻いたコイルを差し込みトライアンドエラーします。スプリアス感度の原因と予測されるFM放送帯域とイメージ域(118+21.4MHz*2=160MHz)で-30dBぐらい欲しいと思ってましたが、やっとそれぐらいに近い回路ができました。次は実際のRF基板に実装し測らないといけません。

nanoVNAで

 

(この項続く)

 

 

R909-DSP受信機2号機の組み立て

R909-DSP受信機と言うのはSi4732を利用したエアバンド、FM放送受信機です。一号機が完成しちょっと感度悪いと思ったが、それはトランジスター実装間違いが原因で、直した結果、期待してたぐらいの感度で動作しています。

 

感度改善の二号機(R909-DSPⅡ)を組み立てていますが、回路ミス、オシロプローブミスでSi4732を二個も壊してしまいました。SOP16の張替えと言うのに初めてチャレンジしましたが、パターン剥がれが二か所発生、何とか張り替えられました。また回路ミスだと思っていたのは、32.768㎑水晶がおかしかったらしく、そちらも交換し何とか試験プログラムで応答が出るようになりました。ステップバイステップで組立て・確認・調整を行っており、RF部(コイルや第一ミキサー)を除き、まずはSi4732をFM放送受信で動かそうとしています。

 

R909-DSPⅡは制御ソフト上で、R909-DSPから変更なく、回路構成としてLNAの追加、バッテリー動作(Li+電池を予定)を盛り込んでいます。音声アンプが2822に代わりました。

R909-DSPⅡをDIAGスケッチでデバッグ

 

今回のデバッグにおいて、i2cスキャンとPU2CLR作シリアルポート動作確認スケッチが活躍しています。いちいちこの二つのスケッチを入れ替えるのも手間なので、今回二つのスケッチを組み合わせ、R909-DIAGにしました。Arduino IDEの「ツール」「シリアルモニター」を使って、コマンド入力、結果出力をします。

つぎの画面コピーを見てください。開始時にコマンドレパートリーが出力されます。

そしてi2cアドレスチェックを行い、i2cバスにつながっているペリフェラルのアドレスを報告します。

その後Si4732をFMモードで立ち上げ、RSSI値を参照します。

英字あるいは数字のコマンドを受け付け、動作、応答するというものです。

R909-DSP DIAG画面

このスケッチを走らせると、次のようにデバッグができます。

1.i2cバス動作で代表されるArduino系のデジタル関連部が動くのかどうかを確認できる。

2.Si4732をとりあえず、FMモードで立ち上げ、FM放送受信し、音声出すようにすると、アナログ系の親受信機以降の動作確認できる。

4.Si5351aの周波数設定コマンドで局発系の動作が確認できる。

次にコイル関連の組み立てが残っているので、進めたいと思います。

 

このR909-DSP試作を技術フォローされたい方は関連データをGITHUBにアップロードしたので、ご参照ください。


基板はPCBGOGOの協力を得て製作しました。

www.pcbgogo.jp

 

 

 

TCXO12.8MHzの逓倍信号源

秋月電子で売られていた12.8MHzTCXOを使用し作った信号源をtiny SAで測ってみました。

今でも12.8MHzTCXOの後継品が売られています。

12.8MHzTCXOの出力をダイオードで整流、逓倍波スプリアスを増やします。そのダイオードをワンターンコイルに見立て、51Ω抵抗を並行に基板上に立てM結合し、出力信号にするというものです。

The weak signal source

 

ざっとみて12.8MHz出力が0dBm弱、調整用の10倍逓倍波128MHz高調波は大体~60dBぐらい減衰、さらにダイオードと抵抗の結合は-30~40dBぐらいか?足し合わせると~-100dBmぐらいの出力になるかと期待しました。

 

中国製エアバンド受信機キットでつなぐと、かろうじて拾えるぐらいでした。今回の測定で200HzRBWで-119.8dBmとでました。

128MHz

R909-DSP受信機につなぐとばっちり受かります。

 

この信号源のポイントは周波数の精度だと思って活用しています。

 

-‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐追記------------

このSGは1200MHzや2400MHzのトランスバーターとかクリコンの調整用に元々は作ったものなのです。無変調と言う弱点はあるものの信号レベルが受信機の感度レベルに近く、周波数精度が良いので重宝してました。

他のバンドでもどの程度なのかtinySAでさらに観測してみました。

基本波12.8MHzは-115.3dBm。

12.8MHz

50MHz帯、51.2MHzでは-120dBm。

50MHz


145MHz帯近辺、140.8MHzでは-118.3dBm。

140Mhz

435MHz帯では、435.2MHzで-101.6dBm。

435MHz


最後に1200MHz帯では、1267.2MHzで-111.9dBmです。

1200MHz帯

ダイオード端子線のインダクタンス、抵抗との総合インダクタンスが微妙に各バンドで影響し、-110dBm近辺の値になっているようです。ひょっとしたら、配線での漏れなどもあるのでしょう。なお、二極双投スイッチのアッテネーターが付いていますが、シールドがだめなので、効果ありません。


 

GITHUBのR909-DSPのエラッタリストアップデート To update the R909-DSP errata list on GITHUB

こんにちは、R909-DSPですが、GITHUBにアップロードしました。時折、ダウンロードされているようです。

今回、作ってみたいが、疑問点ありますというメールをいただき、ご指摘内容を見直しました。その結果も含めエラッタリストを見直しました。

github.com

 

2SC3355ピン配置間違いを修正したら、感度が期待値の-100dBm以下となり、日々のモニターに使っています。後はOLED駆動ノイズと、RSSIモニタースキャンのノイズ対策が残っています。でもそれらはスケルチをかけた待ち受け時に気にならないので、改善意欲が今一つです。

 

OLEDのノイズですが、表示リフレッシュをかけると、ピョロローンとでます。OLEDは3.3V動作なのですが、表示素子駆動は10Vぐらいの電圧を使っており、3.3Vからチャージポンプで昇圧しているらしいです。そのチャーポン動作の供給電流でラッシュが流れ、電圧降下でノイズが発生するようです。

 

YOUTUBEを見ていると、チャージポンプやめて、直接7.5-15Vを供給するという対策がアップロードされてました。

www.youtube.com

 

 

試してみたいDIYエアバンド受信機キット

組み立てたり、改造したり、設計したりしたDIYエアバンド受信機キットを紹介しましたが、次はまだ試してないが、興味あるキット類のリストです。

試してみたい



エアバンド受信機キットの老舗?「套件之家」が供給するキットが色々と品種を増やしています。おととしぐらいR80のV6の回路に関し、問い合わせメールを出したんです。返事では新しいバージョンを開発しているから、そちらで対応すると言う返事が来ました。それで、何が出てくるんだろうと思ってました。

その後新規投入されたのはTEF6686使用のDSP方式製品だったようです。

 

PU2CLRのGITHUBライブラリーではまだ開発中でした。

 

 

 

現有エアバンド受信機の比較表

R909-DSPと名付けた最新DIY機の改版基板のデバッグ中です。ところで、この間紹介したように現有機5台があります。

nobcha23.hatenadiary.com

比較表を作ってみました。

有機比較

第一IFが10.7Mhzだと、初段フィルタでは118+10.7*2=139.4≒136Mhzがとり切れず、以前から何とかしたいと思ってました。R909-DSPはイメージ対策としてIFを21.4MHzにしています。そしてフィルタ挿入による感度低下を避けるため21.4MHzのセラミックフィルターを採用しました。そうなると、いわゆる帯域外領域のリジェクションにはSi4732には受信変調波帯域制限機能が効果あるのではと期待しました。PU2CLRライブラリーのAMは6kHzがデフォールトのようですが、帯域を狭めると高い音域が落ちるのが分かります。4kHzぐらいが高域音声ノイズ成分が低下し、通話音声了解度への影響度は少ないように思います。

 

新しく「8.333KHzステップ周波数設定」と、「Si5351a較正パラメーターのリアルタイム設定」の機能を作りましたが、R909-DSPには未組み込みで、近々追加の予定です。

 

 

以前からエブリチャンネルシークチェックを作ってみたいと思っています。ステップ周波数25kHzあるいは8.333kHzで全周波数帯をスキャンし、RSSIが一定値あるチャンネルを、連続なのか、テンポラリーなのかで、リスティング記憶しようかというものです。メモリーの容量がどれぐらい必要なのかによって、組み込み機能が変わると思います。面白機能を手掛けるにはArduino UNO互換ATmega328P+OLEDSSD1306では能力不足のようなので、ESP32+LCD*touchに乗り換えることも検討します。

 

R909-DSPを追試されたい場合はPCBGOGO登録でGITHUBにアップロードしたデータの基板を作成すれば可能です。組立説明書、エラッタ、スケッチも用意してあります。

www.pcbgogo.jp